津波発生のしくみ

地球の地表は厚さ100km程度のプレートで覆われています。地球は複数のプレートによって覆われているのです。プレートは、少しずつ水平方向に移動しており、その移動方向や移動速度は、プレートによって異なっています。日本列島周辺は、ユーラシアプレートフィリピンプレート太平洋プレート、そして北米プレートの4枚のプレートで構成されており、このうち、太平洋プレートがユーラシアプレートに潜り込んでできた溝が日本海溝であり、太平洋プレートの上に乗るフィリピンプレートがユーラシアプレートに潜り込んでできた溝が南海トラフです。

プレートの移動速度(=潜り込み速度)は、日本海溝で年間5~10cm程度、南海トラフで3~5cm程度ですが、これが100年経過すると、日本海溝で5~10m、南海トラフで3~5mも潜り込むことになります。このとき、上版のプレートも引きづり込まれ、変形し、歪みが蓄積されます。こうした歪みがある限界に達すると、亀裂(断層)が生じ、これに沿って両側の地殻が急激にずれます。これが地震です。

海底で地震が起こると、海底に鉛直および水平方向の隆起・沈降が生じます。この運動は、海水を伝ってほぼそのまま海面にも現れ、海面に水面勾配が生じます。その結果、「水は高い方から低い方へ流れる」それから、「水は急には止まれない」という大原則のもと、津波が発生するのです。

日本で発生した津波のほとんどが、こうした海溝型地震に起因しますが、希に、海底火山の噴火による海面の突き上げや、土石流の流れ混みによる海面の変動が原因で津波が発生することもあります。また、日本近海で発生する地震に伴う津波(近地津波)以外に、1960年のチリ津波に代表される遠地津波があります。この津波では、チリ沖で起こった巨大地震によって発生した津波が、太平洋を伝って遙か彼方の日本沿岸にまで押し寄せ、沿岸各地で甚大な津波被害をもたらしました。

東南海・南海地震津波による過去の被災写真
◆1944東南海地震津波(三重県)
◆1946南海地震津波(和歌山県)
◆1946南海地震津波(徳島県)
◆1946南海地震津波(高知県)

※写真をご提供下さいました皆さま、誠にありがとうございました。